伝説のサーフィン大会

今年もまたビッグウエーブ(大波)は来なかった――。大波の時にしか開かないと決められ、20年前にたった1度だけ開催された伝説のサーフィン大会「稲村ケ崎サーフィンクラシック」(神奈川県鎌倉市)。主催者は今年も8月20日から波を待ち続けたが、開催はかなわず、湘南サーファーの夏が駆け足で通り過ぎた。曇り空の20日、大会実行委員長の長沼一仁(かずひと)さん(59)=鎌倉市=は荒れる海をにらみながら、「今年も終わっちゃいました」とつぶやいた。 81年から始まった「ナガヌマクラシック」が前身。遠浅の海岸が多い湘南でも、海岸近くに岩棚が迫る独特な地形の稲村ケ崎。ここにショートボードの男性選手を集め、3メートル級のビッグウエーブが来たときにだけ開く――。長沼さんが提唱した条件は、89年に今の名称に変更した後も引き継がれた。 「小さい波でも、という声はあるがそこは譲れないんですよね」基準をクリアするような波は、台風が太平洋沿岸を通過し、大きなうねりがあるような時しか現れない。20年前の第1回大会以降、開催は見送られ続け、サーファーの間では伝説化している。 今年も日本のトップ選手や海外組に、地元サーファーらを加えた43人を招待する予定で準備を始めた。台風14号が接近した9月18日ごろには、開催間近を知らせる「ウエーティングコール」までかけたが、結局波は3メートルに届かなかった。(2009年10月23日asahi.com


妥協なく、譲れない姿勢はカッコいいです。高い基準クリアしない限り、大会は開かれず「伝説化」するのはやむを得ません。商業的には溜まりませんが、そういった大会も価値があるでしょう。