相棒6「複眼の法廷」

2010年8月14日再放送。

新宿南署の速水巡査部長(重松収)が何者かに射殺された。容疑者として2年前、銃刀法違反で速水に逮捕されていた塚原(小沢和義)が浮上。当初は犯行を否認していたが、厳しい取調べについに自供。証言どおり凶器の銃も発見され、裁判では裁判員制度が試験的に導入されることになった。三雲裁判官(石橋凌)のもと裁判が始まるが、塚原は一転して犯行を否認。裁判員の赤川(藤田宗久)は塚原に厳しい口調で質問、塚原の恋人・静香(有沢妃呂子)が傍聴席から大声で否定するという場面も。(相棒HPより)

本件は、裁判員制度が導入される前に、「もしも裁判員裁判が導入されたら?」を問うた作品。
副題にある「複眼」とは、トンボなどが多数の眼を備えることで、視界を認識する方法を指し、転じて、裁判官だけでなく、一般人である裁判員が裁判に加わることで、これまで見えて来なかった事情が裁判に反映されるであろうことを期待した題名と拝します。裁判員導入までの渦中にあった、裁判官や警察官が、さらには、マスコミ、一般人が戸惑うドタバタな姿が描かれています。
さて、現実には裁判員裁判が導入されて1年が経過し、いくつかの判断が下されてきたわけですが、「国民に裁判が開かれた」ことによる光と影が確実に見えてきています。当面の課題としては、否認事件や事実認定が難解な事件などの評議の際に、裁判官による過度な干渉が避けることが出来るかとか、判決公判後において裁判員守秘義務が過剰に重くならないかなど、制度の運営上の改善が実現できるかでしょうか。

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相棒 ORIGINAL SOUNDTRACK Deluxe

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