テレ東アニメ局開設から半年

アニメ局開設の第一の目的は、「編成」「営業」「コンテンツ事業」の三局にわかれていた窓口の一本化。編成には、制作会社から「こんなアニメ化の話があるんですが」との話が上がってくる。営業は営業で、取引先の企業からアニメ化の話を持ち掛けられることがある。部署が別々では、そういう話はスムーズに伝わりにくいが、今はアニメ局の誰に持ち込まれても情報を共有できるようになったという。ここまでは、組織の整備の話。重要なのは、その組織で何をするかだが、田村局長は「目利きを育てたい」という。アニメは、制作会社、出版社、玩具やゲームメーカー、広告代理店などとのパートナーシップで企画が動いていく。テレビ局は共同出資者の一員として制作費を出し、放送後はグッズ、映画、DVD販売の収入の一部を得る。これが「アニメでもうける」仕組みだ。二〇〇八年度のテレ東のアニメ収入は約七十六億円。ソフトライツ収入全体の半分強を占める。「企画が持ち込まれた時、その作品がどれくらい人気あるのか目利きができなければビジネスは成功しない」。目利きの成功例として田村局長が挙げるのが、放送開始から十数年たっても映画が大きな収入をあげている「ポケットモンスター」。一方、「新劇場版」など今もヒットが続く「新世紀エヴァンゲリオン」は「テレビ東京は放送しただけ(1995〜96年)。今、世の中がこんなに騒いでも、うちには何もない」。大切なのは「自分たちが成功をイメージできるものに投資すること、力があるパートナーを見つけること」という。経済環境の悪化も、今、アニメを強化する理由の一つ。従来はテレ東に持ち込まれていた企画が一時期、U局などに流れたが、不況で出資が集まりにくくなり、実績と知名度があるテレ東への回帰の動きがあるようだ。(2009年10月14日東京新聞

テレ東は、アニメに強い局として有名で、上記のポケモンケロロ軍曹銀魂、ナルトなどの人気アニメを抱えており、また、大事件や総選挙などで他局が軒並み特番を放映する時でも独自にアニメを放映するなどします。4月に設置されたアニメ局はその強みを生かした取り組みと位置づけられるようです。
私としては、コンテンツビジネス=知財ビジネスという点に注目します。アニメは比較的息の長いコンテンツですし、著作権の処理をしっかりしておけば安定したビジネスになると考えます。先般、お話をお聞きする機会のあった元判事の三村先生もアニメには造詣が大変深いようでございますし、私も今後も真面目に取り組んでみたいコンテンツと思います。

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デジタルコンテンツをめぐる現状報告―出版コンテンツ研究会報告2009

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