初代EU大統領にベルギーのファンロンパウ首相

欧州連合(EU)は19日、ブリュッセルで加盟27か国による首脳会議を開き、12月1日に発効するEUの新基本条約「リスボン条約」で新設される欧州理事会常任議長(EU大統領)に、ベルギーのヘルマン・ファンロンパウ首相(62)を全会一致で選出した。ファンロンパウ氏は昨年末にベルギー首相に就任。税収配分をめぐる国内の激しい地域間対立を収拾するなど、調整手腕に定評がある。選出後の記者会見でも「合意形成が私の役目だ」と述べ、EU加盟国間の利害調整を重視する姿勢を示した。常任議長は任期2年半。EU首脳会議の議長を務め、対外的にもEUを代表する。これまでは、各加盟国が半年交代の輪番制で議長を務めてきたため、「政策の優先順位がころころと変わる」(日本政府筋)との批判があった。リスボン条約発効と「大統領」「外相」ポストの発足で、域内人口5億人に拡大したEUは、国際社会で一層の地位向上を目指す体制が整う。ただ、ファンロンパウ、アシュトン両氏とも国際的知名度は低く、外交手腕も未知数。国際社会で欧州の「顔」として認知されるかを疑問視する見方もある。(2009年11月20日読売新聞)

ベルギーは、連邦立憲君主国家で、オランダ、フランス、ドイツ諸国と国境を接しており、EUの原加盟国でEU本部がベルギーの首都ブリュッセルに置かれています。元々は単一国家だったのですが1993年に連邦制に移行して、連邦内の地域間対立が問題となっています。ファンロンパウ首相は国内での対立のある利害関係を収拾する調整手腕に定評があり、その実績が評価されて今回EU大統領に推されたとのことです。
我が国にとって、EUは依然として重要な地域ですから、今後の動向が注目されます。

EUのガヴァナンスと政策形成

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リスボン条約による欧州統合の新展開―EUの新基本条約

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