NTTのOB年金減額

経営悪化を理由に退職者の企業年金支給額の減額を申請したのに、厚生労働省が認めなかったのは不当だとして、NTTグループ67社が国に不認定処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は、請求を棄却した1、2審判決を支持し、NTT側の上告を棄却する決定をした。決定は8日付。NTT側の敗訴が確定した。確定給付企業年金法では、減額の要件を「経営悪化でやむを得ない場合」と定めている。訴訟では、NTTの経営状況をどう判断するかが争点となったが、1、2審とも「減額がやむを得ないほどの経営悪化は認められない」と判断した。(2010年6月9日読売新聞)

企業年金は、適格退職年金の終了により、記事にある確定給付年金確定拠出年金(401K)にシフトしつつあります。
年金は退職者にとって生活の糧として大きな存在ですから、企業側の一方的な思惟でその給付額が左右されないように法律で給付額の削減が限定されています。しかし、企業側も業績低迷により支給額の減額や制度の終了に踏み切る場合もあり、給付額をめぐって、訴訟も増えています。
本件では、企業側が、国の処分の取消を求めた行政訴訟とのようです。
今後の実務に参考にして参りたいと存じます。

小説で読む行政事件訴訟法―基本からわかる行政訴訟の手引き

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