司法修習生「借金」膨らむ？

司法修習生の修習期間の給与が貸与に変更になるので、弁護士会としても修習生のために全国的に署名活動等支援事業をおこなっております。とはいえ、司法修習生だけ特別に給与をもらうということに否定的な論調も散見されます。傾聴すべき意見ではありますが、三権のひとつである司法を担う人材は、現在も国家資格として付与されておりますから、それらを育成する期間に国が給与を払うのも決しておかしなことではないでしょう。できれば、これからも司法修習生にはお金の苦労を考えずに修習に励んでもらいたいと念願します。

先日も、ある社会人の方から、司法試験に合格したら修習に行ったものかどうか悩んでいるとのご相談を受けました。伝統的なアドバイスとしては、修習を終えて弁護士になれば成功が約束されるので、修習中のお金の心配がなくなるだけの蓄えがあればすぐに修習に行くべきということになるのですが、近年の司法修習生をめぐる情勢下では、弁護士として成功することもかなり困難が予想されるので、修習前の社会的ポジションに相応の価値がある場合に、修習後の想定ポジションとの比較も考えざるを得ないので悩ましいところでしょう。