人気司会者のトーク力

テレビでしゃべっているとつい聞いてしまう、言葉に力がある人には共通した特徴があります。それは、「公的で感情を交えない言葉」と「本音を交えたくだけた言葉」の2つをうまく切り替えている点です。私はこれを、“スイッチの切り替え”と呼んでいます。日本語は対象によって言い方が変わるため、この切り替えが有効なのだと思います。
1位のみのもんたさんは、落差のある言葉を切り替えるのが特徴です。「ダメだよそれじゃあ!」という、人をしかりつけるような強い言葉と、「あらまぁ〜、奥さん」と気軽に視聴者に語り掛けるような言葉。2つの言葉に落差があるため、強烈に印象に残るんです。つい聞いてしまう力強さがあります。(2010/12/6日本経済新聞)

人をひきつける話術。1位のみのもんたさんは、“スイッチの切り替え”が上手なだけでなく、聞く相手を盛り立てます。
私たち弁護士に限らず、人と対話をする必要のある職業の場合、仮に話の内容がすばらしくても、聴いてもらえないと意味がありません。その意味でも相手をひきつける話術まではムリとしても、「対話」になっていないと大失敗です。一方向で話をするテレビの司会者と異なり、双方向で対話する私たちの注意すべきポイントは、「まず、相手の話を良く聞く」という事に尽きるようです。テレビ司会者の「スイッチの切り替え」に通じる部分です。