最高裁初の痴漢冤罪逆転無罪判決と水谷豊も痴漢冤罪?

最高裁第3小法廷は14日、「被害に関する供述には疑いの余地がある」と判断し懲役1年10月とした1、2審判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。無罪が確定する。

 判決は、満員電車での痴漢事件について「客観的証拠が得られにくく、被害者供述が唯一の証拠となることが多い上、被害者の思い込みで犯人とされた場合は防御の手だてが容易ではないとの特質から、特に慎重な判断が求められる」と指摘した。

 最高裁として初めて痴漢事件に関する審理の在り方を示したもので、今後の捜査や裁判に大きな影響を与えそうだ。(2009年4月14日共同)


痴漢事件の証拠は上記判示のとおり「客観的証拠が得られにくく、被害者供述が唯一の証拠となることが多い上、被害者の思い込みで犯人とされた場合は防御の手だてが容易ではないとの特質から、特に慎重な判断が求められる」のはずですが、逆に言えば、慎重な判断をしてしまうと、有罪とする手立てがなくなってしまうので、被害者の供述を重視し有罪と認定する傾向があります。

以前、同じ会派の弁護士から、一審で有罪となって高裁から弁護を担当した痴漢冤罪逆転無罪判決を獲得できた事案について詳しく教えて頂く機会がありました。その事件では、被害者の供述に矛盾点があったため、多くの知人・友人の支援を得て、実際に事件の舞台となった満員電車の車内の状況を再現をしてみて、その状況では被告人には痴漢は無理であったことを立証しそれが証拠として採用されたのが無罪の決めてになったようです。現実にそこまでの証拠を用意することが常にできるかということや、今回の最高裁の判断が有罪2人、無罪3人と判断が別れたことからも、いかに痴漢冤罪事件を無罪とするのが困難なことであるかが窺われました。

さて、

「相棒」の警部役で人気の俳優水谷豊(56)が、痴漢の犯人を演じる。フジテレビ系「誰かが嘘をついている(仮題)」(年内放送予定)で、痴漢冤罪(えんざい)事件で裁判にかけられるサラリーマン役だ。「風のガーデン」の宮本理江子監督が演出する。水谷演じる主人公は、痴漢容疑をかけられて無実を訴えるが、数カ月も拘留され有罪判決を受ける。その期間の苦悩を病気の妻、就職活動中の息子、被害者の女子高生と同い年の長女。そして被害者、検事、弁護士の姿を通して描く。水谷は「痴漢裁判がこんなに困難だとは知りませんでした。誰もが考えさせられるテーマ。家族同士で話し合えるドラマになると思います」と話している。(2009年4月14日日刊スポーツ)

とのことです。ドラマが放映されたら、裁判の困難さについて家族、知人らと話し合う題材にしようと考えます。