津軽弁の音声認識システム

二十一日の裁判員制度開始を前に、法廷での被告人質問や証人尋問のやりとりを自動的に文字化して記録する「音声認識システム」が、「うっと(とても)」など一部の津軽弁を識別しない可能性の高いことが十九日、分かった。音声認識システムは、証言台の前に設置したカメラやマイクで法廷のやりとりを映像と音声で記録。発言内容を自動的に文字化し、評議の際に録画映像とあわせ、裁判員が確認できる。最高裁が約四億円をかけて開発した自信作で、全国の約百六十法廷に導入。関西弁に対応できるバージョンもある。青森地裁でも一号法廷に設置されたが、同地裁総務課によると「じぇんこ(銭)」など津軽弁の難解な方言はシステムでの認識が難しいほか、独特のイントネーションもあるため、どの程度対応できるか分からないとしている。システムには地名や人名など頻繁に使用する言葉の事前登録が可能。ただ、「方言となると何が出てくるか予想ができない」(総務課)ため、今後は青森地裁の法廷でよく使われる津軽弁の登録も検討するという。最高裁は「前後の文脈から類推でき、実務に支障のないレベルは確保できる」(広報課)と説明。特有の方言がある各地の地裁は「システムは参照用で評議そのものに影響はしない」(鹿児島)、「実際のケースを見ないと何とも言えない」(那覇)などとしているが、当面は手探りの運用が続きそうだ。(東京新聞2009年5月19日 )

裁判員制度において、裁判官・裁判員が被告人は有罪か、有罪の場合量刑をどうするかについての、評議の際に裁判員が、公判における尋問のやり取りを再度確認するためのシステムです。
キーワードを入力して検索すれば該当部分が再生されるという機能があるようですから、聞きたいところを再現して聴きながら、文字化されたものと合わせて見れば、ある程度の心証は取れるのではないでしょうか。
四億円もかけて開発したのにこの程度?との意見もあるでしょうが、津軽弁に慣れていない人が津軽弁を認識するには、生で聞いたとしても何度も聞きなおしたりといった大変な困難が伴いますから、システム化しても、認識できない結果であってもしょうがないでしょう。要はシステムをどのように活用し、より良い結果を導くことができるかでしょう。わかりやすい尋問を心がけたいと考えます。