無登録FX取引

札幌市の投資関連会社「オール・イン」が無登録で外国為替証拠金取引(FX取引)を行い、高配当をうたって総額100億円超の巨額資金を集めていたとされる問題で、道警は20日午前、金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で、札幌市北区の同社本社など、全国の同社関連施設の一斉捜索を始めた。
 札幌市北区オフィスビルの中にある本社には、同日午前9時頃、道警の捜査員約60人が段ボールを持って次々と中に入っていった。本社機能がある同ビル6階を中心に捜索を行っているとみられ、捜索開始後は、窓のブラインドなどが一斉に下ろされた。
 同社は19日、広報部長が取材に応じ、「FX取引について金融庁に登録はしていなかった」としたが、違法性の認識については「「自分の立場では話すことができない」とコメントを避けた。
 一方、同社側は、社長名で会員にメールを配信。FX取引は、海外の別会社を通じて行っており、「法律に抵触するような行為を行っていない」などと主張している。(2009年7月20日読売新聞)

外国為替証拠金取引とは、証拠金を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引です(以下、「FX取引」といいます)。金商法で規制されるデリバティブ取引です。
FX取引は、非常にリスクの高い取引ですから、、財務基盤の脆弱な業者には任せられませんので、金商法に基づく登録を受けた業者でなければ行うことができません。FX取引を取扱う登録業者は、業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類を営業所に備え置くことが義務付けられています。情報の開示が適切に行われていない場合は、業者の安全性を確認できないことから十分な注意が必要です。
また、近年の為替相場の変動を受けて、財務基盤の脆弱なFX取引業者の破綻が相次ぎ、顧客の資産が確保されない事態が生じました。こうした事態を受け、日弁連は、顧客資産の分別管理について適切な規律を設けることが必要である旨の意見を述べているところです。

今回の事件は、金商法登録をしていないばかりか、被害者をだまして出資させていたとの認識が証明できれば、詐欺罪の立件も視野に入りましょう。