医療現場の「ヒヤリ・ハット」

一つ間違えると医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」が2008年、国内の大学病院など主要236医療機関で22万3981件に上ったことが、財団法人・日本医療機能評価機構のまとめで分かった。前年を1万4765件上回り、統計を取り始めた05年以来、過去最多となった。ヒヤリ・ハットの調査目的は、多くの医療機関が事例を共有して事故を防いでいこうというもの。同機構は過去最多となったことについて、「医療の質が低下しているわけではなく、現場で安全に関する意識が高まった表れ」としている。最も多かったのは、薬の処方・投薬に関するもので、4万6952件(21・0%)。次いで人工呼吸器や栄養補給のチューブの接続ミスなど「ドレーン・チューブ類の使用・管理」(14・3%)、リハビリ中の不適切な介助など「療養上の世話」(8・4%)が続いた。原因としては、薬剤名などの「確認不十分」(24・4%)など初歩的なミスが目立った。(2009年8月26日読売新聞)


ヒヤリ・ハットはどんな業務にもありえますが、医療現場で「ヒヤリ・ハット」が起きると、重大な結果につながりかねませんから、情報共有によって、事故を防ごうとするものでしょう。
クリティカルパス(医療の内容をあらかじめ標準化して計画を作っておくこと)が導入されている医療機関が多いと思いますが、厳密にはひとりひとりの患者さんは個別性がありますので、慎重な対応が望まれます。

医療安全対策ガイドライン―ヒヤリ・ハットや事故事例の分析による

医療安全対策ガイドライン―ヒヤリ・ハットや事故事例の分析による