プロバイダーに情報開示義務

 

インターネット上の掲示板への他人を中傷する書き込みをめぐり、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は8日、掲示板の管理者だけでなく、携帯電話会社などのプロバイダー(接続業者)も、発信者の名前と住所を被害者側に情報開示する義務があるとの判決を言い渡した。下級審では同様の判断が広がっていたが、最高裁の判断は初めて。会社や役員、従業員を中傷する書き込みをされた静岡市の建設関連会社がNTTドコモ(東京)に対し、書き込みをしたとみられる契約者情報の開示を求めていた。 争点は、掲示板を直接運営しておらず、書き込みを仲介するだけの携帯電話会社などの接続業者も、プロバイダー法で発信者情報の開示が義務づけられた対象になるかどうか。第一小法廷は「ネットでの情報発信はプロバイダーを利用するのが普通で、それ以外の業者は発信者の情報を把握していないことが多い」と指摘。開示を認めないと、被害者側の権利が救済できないとして、携帯電話会社も対象にあたると認めた。(2010年4月8日asahi.com

こういった情報の開示については、弁護士法23条の2に基づく照会に任意で情報を開示する方法があります。しかしながら、種々の理由によって任意に開示されないことが多々あります。本件では、プロバイダー法を理由に開示義務があるとされました。平成22年04月08日最高裁判所第一小法廷は,同法2条は,「特定電気通信役務提供者」とは,特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し,その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者をいい(3号)、規定の文理に照らすならば,最終的に不特定の者によって受信されることを目的とする情報の流通過程の一部を構成する電気通信を電気通信設備を用いて媒介する者は,同条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に含まれると解するとし、開示義務を認めました。