上場企業コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化

公開会社法の検討が、法制審議会で始まっていますが、法制定前の現在のところでは、下記記事の通り証券取引所規則や金融庁の政省令にてコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化が規定されます。
しかし、規定を設けても、たとえば既に独立役員を導入している企業においても、企業統治をめぐっての問題が顕在化するなど、必ずしも十分な制度とは言えないようです。
とはいっても、投資家が太鼓判を押すようなきっちりした制度をいきなり構築することは難しいので、問題を一つづつ改善していくしかないでしょう。独立役員の要件を例にとると、単に会社から独立しているだけ(これでは経営陣のお友達でも良いことになってしまいます)ではなく、例えば、弁護士や会計士など専門的な職業人を独立役員の要件にするなど、実効性のある規定にする必要があると思われます。

上場企業に対し、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を求める動きが相次いでいる。東京証券取引所は一般株主の立場で経営陣を監視する独立役員の設置を、金融庁役員報酬の個別開示をそれぞれ義務付ける。日本の企業統治制度は経営陣に甘いといった、海外などからの批判に対応する措置。ただ、一連の強化策は「ゴールではなく、スタート」(藤島裕三大和総研経営戦略研究所主任研究員)にすぎず、企業統治で国際的に高い評価を得るのはまだ時間がかかりそうだ。東証の上場企業は、今年6月の株主総会の翌日までに親会社や主力銀行などの出身でない社外取締役または社外監査役を最低1人置くよう求められる。来年6月からは、東証が違反企業に対し社名公表などの措置を取る。今年3月末までに東証に状況を報告した上場企業2094社のうち、91%は既に独立役員を配置済みと回答。東証は「予想より高い数字」(上場部)としているが、罰則導入までは様子見を決め込む企業もあるとみられる。[2010年4月12日時事通信社