M&Aは簡単ではありません
キリンとサントリーの09年12月期決算でともに過去最高の経常利益を計上し、「勝ち組」の地位は揺らいでいないが、切羽詰まった危機感の欠如が破談の一因になった。国内で勝ち組とはいえ、世界の食品業界では、“井の中の蛙”だ。08年12月期で比べると、キリンの最終利益は801億円、サントリーは321億円。これに対し、米ペプシコは約5400億円、米コカ・コーラも約5300億円に上り、大きく見劣りする。国内市場が縮む中、生き残っていくには、欧米列強と渡り合い、海外市場を開拓することが急務だ。キリン、サントリーの統合も、海外でのM&A(企業の合併・買収)が狙いの一つだった。しかし、国内で不毛なシェア競争を繰り広げていては、収益基盤が揺らぎ、海外でのM&Aもままならなくなる。(2010.5.3産経新聞)
記事の「国内で不毛なシェア競争を繰り広げていては、収益基盤が揺らぎ、海外でのM&Aもままならなくなる。」とは、ストレートにきついご意見です。企業も一生懸命やっていると思われるのですが・・・・・とはいえ、ご指摘の通り、M&Aが破談した企業は、それに代わる成長戦略を明確に示すことが求められているのも事実です。M&Aによる経営統合しない以上は、独自の経営戦略を示していくよりありません。
各企業の経営努力の必要性は、今更、言うまでもないでしょう。むしろ、国家として、企業の改革を促す国家戦略か少なくとも改革をしやすくなる政策を提示することも必須でしょう。6月の国家戦略公表が待たれます。
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