上場前個人出資規制、白紙撤回

日本証券業協会は、未公開株詐欺の被害防止を目的に20日に実施する予定だった規制改正を延期する。延期する期間は無期限で、改正が白紙となる可能性が高い。上場前に個人に出資を募った企業の上場を原則禁止するとの改正案に対し、ベンチャー企業などから資金調達を大幅に制約したり、資本政策に支障が出たりするといった多数の批判が寄せられたためだ。日証協は今後も対応を協議するが、業界ルールで詐欺行為を排除するのは困難とみられている。(2010/7/15日経新聞)

 未公開株詐欺事件がいまだあとを絶たず、日証協は、未公開株詐欺防止のために、上場前に個人に出資を募った企業の、上場に際しての引受業務を証券会社に原則禁止するという内容の規制を検討していました。しかしこの規制案については「ベンチャー企業が個人の出資を受けられなくなる」とか、「ベンチャーキャピタルが投資先を選ぶ際に萎縮しかねない」などの懸念の声があり、規制を白紙撤回することとなったようです。
 確かに、広く規制をかけることで、必要な資金調達が制約されてしまうのであれば、本末転倒でしょう。
 このような規制がなくとも、上場前に広く一般に出資を求めることは「ありえない行為」であることを、一般投資家に認識していただき、企業側に自主規制してもらうのが現実的でしょう。

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