出身地でわかる中国人
「出身地でわかる中国人」(PHP研究所)などの著者で評論家・作家の宮崎正弘氏に地域別のビジネスパーソン気質について聞いた。
――政治の中心、北京のある華北は。
「北京の人は政治論議が好きで多弁、冗舌家が多い。天津はあか抜けていて国際的。北京が東京なら天津は横浜のようなものだ。大連は素直な人が多い」
――上海は商業の中心だ。
「改革開放以降、富の拡大と新しい産業が上海周辺に集中した。他の地域の人は、スマート過ぎる上海人を嫌う傾向がある」
――華南には労働集約的な工場が多い。
「華南はのんびりしている。コメがたくさんとれて果物もあり、もともと豊かだからだろう。メーカーが集中しているが、労働力不足で今は地方から人が入ってきている。伝統的な広東人の性格が薄まり、混交された文化が生まれている」
――近年は内陸部に進出する中国企業が多い。
「ウイグルはガスや原油、チベットは水などの資源がある。中央政府にとっては重要な場所だ。漢民族の入植が急速に増えており、漢民族対地元の対立が起きやすくなっている。西安などのさらに西は交通インフラが弱く人材が少ない」
――東北部はどうか。
「まだまだ伸びる。日系企業も急激に増えている。まじめな性格の人材が多いからだ。これからは瀋陽を越えて長春やハルビンあたりまで日本企業が進出するのではないか」[日経産業新聞2009年9月8日付の記事より]
「出身地でわかる中国人」(PHP研究所)は、日本でも、東京出身は見栄っ張りとか、関西出身は実利的とか色々言われていますが、その種の人国記・民俗学の中国版です。歴史的な経緯を元に、現在に至る中国国内の地域別「お国柄」を丁寧に記述してあります。各地域の大まかな差異は、上記の記事の通りですが、著書「出身地でわかる中国人」には、より詳しく示されています。今後、中国の方と付き合う際に参考にして「お国柄」に注意しながら接してまいりたいと思います。
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