ハードカバーと電子版が同時に発売される時代だね

米ベストセラー作家ジョン・グリシャム氏の24作目「The Confession (仮題:告白)」は、同氏の著作として初めてハードカバーと電子版が同時に発売され、第1週の販売実績は合計で前作を上回った。出版元の英ダブルデイによると、電子版は7万件販売された。一方、米国内の書籍販売の約75%を網羅するニールセン・ブックスキャンによると、「告白」のハードカバーの第1週販売実績は16万件だった。ちなみに2009年1月に発売されたグリシャム氏の前作「アソシエイト」のハードカバーの第1週の販売実績は22万3000冊だった。同氏は、もともと自著を電子版で売ることに否定的だったが、読者から電子版を買えないという憤りの電子メールを数多く受け取って考えを変えたという。(2010年11月10日WSJ)

ジョン・グリシャムは、トム・クルーズ主演で映画化されてヒットした『ザ・ファーム法律事務所』や『評決のとき
など裁判・訴訟もの小説を多く発表しております。長い間、全米ベストセラー作家として著作を発表し続けてきました。
さて、そういった作家もハードカバーと電子版が同時に発売される時代なんですね。もっとも、電子版をOKするかどうかは、作家の考え方次第ともいえます。グリシャムの場合「自著を電子版で売ることに否定的だったが、読者から電子版を買えないという憤りの電子メールを数多く受け取って考えを変えた」ということですが、読者のクレイムということでなく、例えば、印税政策を出版元が著者に示していく努力も必要ではないでしょうかね。
わが国では、村上龍氏(58)が電子書籍を制作・販売する会社を設立し、自身の著作を電子化することに前向きのようですから、あっという間に米国と同様の時代が来るのでしょう!

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