「企業内弁護士」の現状と将来

 

会社の中で弁護士としての専門知識や経験を生かす「企業内弁護士」の採用について、企業の9割以上が消極的なことが17日までに、日弁連の調査で分かった。企業コンプライアンス(法令順守)を支えるなどとして採用拡大を期待する日弁連に対し、企業側が高額な報酬や使い勝手の悪さを理由に背中を向けた形。日弁連の担当者は「不況の影響もあると思うが、活用方法を伝え切れていない部分もあり、理解を得られるよう努めたい」としている。(2010/12/17日本経済新聞

企業が企業内弁護士の採用に消極的な理由として、「顧問弁護士で十分」、「法務部などで十分」「報酬が問題」「やってもらう仕事がない」が挙げられています。
確かに、小さな会社で法務業務・法務相談がさほど多くない場合はその通りでしょう。しかし、法務部など担当部門に専任社員を置いている会社は、「顧問弁護士で十分」、「やってもらう仕事がない」などということはないでしょう。そうなると、別の理由である高額の報酬、法務部の一般社員で十分という理由がクローズアップされてきます。
そうすると、たとえば、弁護士となる資格を有しているが、資格登録をしないで入社するなど就職する側の意識を変える必要がありそうです。弁護士になる資格のある方あるいは資格を登録した方は、実力どおりの活躍の場があれば、「やってもらう仕事」など幾らでも増えるでしょうし、多様な仕事がこなせれば「報酬問題」も自ずと解決する事になると思われます。

企業内弁護士

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社内弁護士という選択―インハウスカウンセルの実際の仕事を描いた15講

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