京都大iPS細胞特許譲受け

京都大は1日、米バイオ医薬品ベンチャー「アイピエリアン」からヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)作成に関する特許を譲り受けたと発表した。ア社特許は、京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授らが開発・出願した技術と似ており、これまでは米国で特許権を巡る係争になる恐れがあった。今回の譲渡により、再生医療創薬の分野で最先端に立つ米国で年内にも「山中特許」が成立する公算が大きくなったという。【2011年2月1日毎日新聞

 複数の機関が類似の特許権を持つ場合には、当事者間の係争が避けられません。今回はその係争を避けるための一方への権利譲渡であり、譲り渡したア社は、京大が持つiPS細胞関連の基本特許技術の使用を許諾するライセンス契約を結んだようです。これによりア社も、京大特許で作成したiPS細胞や分化細胞を使い、さまざまな治療薬の研究開発を行うことができることになるようです。さらに言えば、特許係争中であれば第三者は誰からライセンスを受けるべきか判断がつかないまま使えなかった技術も、京大からライセンスを受けることができるようになります。

ケースブック知的財産法 第2版 [弘文堂ケースブックシリーズ]

ケースブック知的財産法 第2版 [弘文堂ケースブックシリーズ]

特許法 (法律学講座双書)

特許法 (法律学講座双書)