東京証券取引所「上場会社を巡る最近の諸問題を受けた要請」

上場会社各位におかれましては、是非ともこの機会に、株主の負託に応えて企業価値の向上に努めることが上場会社経営者の責務であることを社内に徹底するなど、コーポレート・ガバナンスの充実に注力いただくとともに、改めて自社のコンプライアンス体制やその運用の状況に遺漏がないか再確認を行うなど、最善の努力を払っていただきますようお願い申し上げます。

東京証券取引所東京証券取引所自主規制法人は26日、「上場会社を巡る最近の諸問題を受けた要請」をしております。すなわち、会社のコンプライアンス体制やその運用の状況に遺漏がないか再確認を行うなど、最善の努力を払うようにとのことです。上場会社の証券取引を預かる取引所としては、もっともな要請でしょう。しかし、現実に、「遺漏なき体制」を作るのはかなり困難と思量します。

さて、今回の2例とも、社内での権力闘争の側面がありますが、これとは異なる権力闘争の事例で、いわゆる『買収防衛』の事例では、わが国では現在は現経営陣とも買収側とも利害関係の薄い「第三者委員会」の判断を仰ぐことが主流になりつつあります。
これを踏まえると、社内での権力闘争が起きた場合も、第三者委員会を招集する方法が「遺漏なき体制」のひとつとして考えられましょう。今後、研究を深めるべき分野でしょう。