総額約160億円過去2番目の課徴金

 

高速・大容量のデータ通信に使う光ファイバーケーブルの製造・販売会社が、NTT東西などにケーブルを販売する際、見積もり価格を事前に調整するなどしていたとして、公正取引委員会は14日、電線大手4社に対し、再発防止などを求める排除措置命令を出す方針を伝えた。この4社を含む数社に総額約160億円の課徴金の納付も命じる方針で、課徴金総額は過去2番目の規模となる見通しだ。( 2010年4月14日asahi.com

価格・数量・シェア・取引先を制限するカルテルに対して、課徴金が課されます。その算定方法は、違反行為対象商品等の売上高に一定の算定率を乗じますから、売上高が大きいと課徴金も大きくなります。その考え方の根拠は、最高裁判決(平成17 年9 月13 日)に示されています。

独禁法の定める課徴金の制度は、昭和52年法律第63号による独禁法
正において、カルテルの摘発に伴う不利益を増大させてその経済的誘因を小さくし、カルテルの予防効果を強化することを目的として、既存の刑事罰の定め(独禁法89条)やカルテルによる損害を回復するための損害賠償制度(独禁法25条)に加えて設けられたものであり、カルテル禁止の実効性確保のための行政上の措置として機動的に発動できるようにしたものである。また、課徴金の額の算定方式は、実行期間のカルテル対象商品又は役務の売上額に一定率を乗ずる方式を採っているが、これは、課徴金制度が行政上の措置であるため、算定基準も明確なものであることが望ましく、また、制度の積極的かつ効率的な運営により抑止効果を確保するためには算定が容易であることが必要であるからであって、個々の事案ごとに経済的利益を算定することは適切ではないとして、そのような算定方式が採用され、維持されているものと解される。そうすると、課徴金の額はカルテルによって実際に得られた不当な利得の額と一致しなければならないものではないというべきである。(裁判所HPより)