裁判員制度1年

裁判員制度スタートから20日までの1年間に全国の60地裁・支部での裁判員裁判で審理され、判決が出た被告は計530人で、すべて有罪だった。対象事件の起訴は1881件だったのに対し約3割にとどまっており、事前の争点整理の長期化などで審理が滞留しがちな傾向が出ている。(2010/5/21 日経新聞

昨年、裁判員裁判が導入されてから、ちょうど一年経ちました。私自身は、メインで刑事事件を扱っていないこともあり、裁判員裁判は経験しませんでしたので、雑感を。
1 国民が裁判に参加することで、刑事裁判制度に「透明性」が要請され、実務が大きく変わりました。裁判所・検察庁は大変でしたでしょうが、よりいっそうの努力をお願いします。
特に、被告が犯罪を認めて自白した事件はともかく、否認している場合は、取調べ可視化の実現は不可欠ではないでしょうか。
2 弁護士は、刑事弁護に力を入れている特定の弁護士に負担がかかっていると思われます。今後、弁護士会としての対応が必要になってくると思われます。
3 裁判員を経験された方は、法律で禁止されている評議内容の公開以外の、たとえば「個人の感想」とか「手続上の改善点」とか、もう少し発信しても良いのでは?裁判官がキツク口止めなさっているのでしょうか。
4 二時間ドラマではおなじみの法廷シーンは、今後はすべて裁判員裁判になるのでしょうね・・・