債権法改正(2)定型約款

本日、民法を抜本的に見直す改正「要綱」を、法務大臣の諮問機関とされます法制審議会が大臣に答申しました。今後、3月をめどに通常国会への民法改正案提出が現実的になりました。

本ブログでも改正案についてコメントしておりますが、その第二回目は、定型約款についてです。

1 定型約款の定義
定型約款とは、定型取引(不特定多数の方との取引であり、画一的な内容が含まれる取引)に、契約の内容として使われる規定をいいます。

2 定型約款についてのみなし合意
定型取引を行うことを合意した場合には、定型約款の条項についても合意をしたものとみなされます。
例外として、その条項のうち、相手方の権利を制限し、義務を加重する条項で、相手方の利益を一方的に害するものについては、合意をしなかったものとみなされます。

3 その他
定型約款は契約当事者の一方が契約の内容を作成するわけですから、その内容の表示や変更についても規制があります。

以上の規律は、具体的にどのような効果を発揮することになるのでしょうか。
銀行預金の約款、保険契約の約款、携帯電話の約款など、皆さんもご覧になったご記憶があるかと思いますが、通常は小さい字で詳細に亘り規定があります。
これらについて、合理的な契約内容であることが求められ、一方的な条項は合意が無かったものとして、取引に適用されないことになります。
したがって、事業者側は約款の内容が「一方的に自社に有利」にならないように注意が必要になります。