路地裏の経済学の竹内宏さんが書いた「エコノミストたちの栄光と挫折」

筆者は、今は亡き長銀総研の理事長として一世を風靡したエコノミスト長銀および長銀総研の歴史を、時代の流れとともに綴った秀作です。涙なくしてはとても読めません。
日本は今再び、経済的・政治的危機に直面し、明日をも不安になる時代ではありますが、筆者は、本書の末尾を

日本の官僚組織はグローバルな時代に変わっても、従来型組織体系の枠に嵌められ、能力を十分に磨けない。学者は狭い領域にとどまり、強烈な個性に生きている。そのため、組織的に研究できるシンクタンクへの期待が膨らんでいる。

エコノミストにとって、働き甲斐がある幸せな時代がやってきた。

として、社会の指導者としての政府の組織的限界、学者の限界を示しつつ、エコノミストに未来を託しております。
弁護士も、筆者の慧眼を基準にあてはめると「働き甲斐」のある立場と思われますから、気を引き締めて業務に取り組んでまいりたいと存じます。