政投銀の民営化を延期政府1・7兆円を追加出資

民間金融機関が損失リスクにおびえる中、税金で損失を穴埋めする政策金融が、唯一ともいえる“リスクマネー”の供給役を果たしているのが実情だ。

 与党の閣僚経験者は、「民営化は間違いだった。迅速な対応ができない」と指摘する。「完全民営化すれば、融資審査を厳しくせざるを得ないため、民間企業に資金が流れにくくなる」との懸念も強く、財務省内でも民営化見直し議論が出ている。

 ただ、政府系金融機関の民営化は、郵政民営化とセットになった「官から民へ」の構造改革の重要施策だ。郵便貯金などで集まった資金が政府系金融機関を通じて、特殊法人に流れ込み、無駄遣いされる構造を抜本的に改め、効率的な小さな政府を実現するのが狙いだ。

 現在の政投銀の総資産は約12兆5000億円に上り、追加対策の投融資枠を実際に使えば、2倍以上に膨らむ。民間金融機関関係者は「危機を隠れみのにした肥大化にほかならない」と批判する。(2009年4月16日 産経新聞

民間金融機関が貸し渋りをしているのも事実ですし、税金で損失を穴埋めする政策金融機関が、唯一ともいえる貸し手であるのも実態です。その役割を民営化されずに政府系金融機関として存続している日本政策金融公庫が担っています。したがって、日本政策金融公庫とは別の組織で完全民営化が決まっている政投銀(日本政策投資銀行)の民営化を延期する必要はないのでは?そんなことをすると、税金で損失を穴埋めしてもらえるのを前提に、貸出を実行して、結果的に、またまた多額の税金がアワと消える事になりかねません。