中堅・大企業向緊急融資

政府・政投銀、4兆円の緊急融資枠 官民折半、資金繰り支援
 政府と日本政策投資銀行は6月にも、中堅・大企業向けに民間金融機関と貸出額を原則折半する新たな緊急融資制度を導入する方針を固めた。政投銀との協調で民間金融機関が融資を手掛けやすくする一方、公的融資にリスクが過度に集中することを避ける狙い。政投銀が追加経済対策で決まった危機対応融資枠15兆円の中から2兆円、民間が2兆円の最大4兆円規模の資金枠を想定する。企業の資金繰りは引き続き楽観しにくい状況にあり、政府は企業金融支援に万全を期す。

 企業倒産の増加などで銀行の不良債権は高水準で推移しており、民間金融機関の融資姿勢は慎重さが目立つ。政府は融資額の原則半分を政投銀が負担することで民間の貸し出し意欲を引き出し、企業にお金を円滑に回す必要があると判断した。 (日本経済新聞2009/05/22)

日本政策投資銀行(政投銀)に政府が補正予算案で1.7兆円追加出資して、同行の民営化先送り方針が判断されたのは、
http://d.hatena.ne.jp/n1516e/20090417/1239915323
で言及しております。
私は公的融資の役割の担い手としては、政投銀ではなく、民営化されずに政府系金融機関として存続している日本政策金融公庫が担うべきとは考えており、政投銀は速やかに民営化を進めるべきと考えておりますが、資金繰り支援のための公的貸付を行うのであれば、政投銀にしか出来ないことかも知れません。
中堅企業や、大企業だが民間銀行がリスクを取れないような企業に対しての融資の担い手がいない現状があります。そこで、記事にある政投銀と民間銀行との折半案が出てきたものと思われます。本制度は原則として融資額の半分を政投銀が負担することとされていますが、資金繰り支援が目的であるのなら、民間の資金が集まらなければ、政投銀は原則である半分しか貸せませんというのではなくて、政投銀としてのリスク判断の下で、負担割合を増やしても貸し出す等柔軟な対応ができるのかどうかが本制度の成功のポイントと考えます。