三井住友銀行員詐欺社長から接待される

不動産会社「コシ・トラスト」(東京都渋谷区)が三井住友銀行(本店・同千代田区)から不正に融資を引き出した事件で、コシ社社長N(40)=詐欺容疑で逮捕=が、融資の窓口だった3人の銀行員=いずれも監査部付=に過剰な接待を繰り返していたことがわかった。警視庁は、こうした接待が不正な融資を見過ごす背景になった可能性もあるとみて経緯を調べている。同行は内部調査の結果、3人の行員が受けた接待は不適切だったと判断。内規違反にあたるとして、処分を検討している。 警視庁捜査2課によると、N容疑者らの逮捕容疑は、08年12月ごろ、売り上げを実際の100倍以上に水増しした都内の会社の決算書類を作成し、同行から約1億円の融資を引き出したというもの。 同行やコシ社の元社員によると、この融資の窓口だった行員(45)は、N容疑者からホテル宿泊代を3回肩代わりしてもらったほか、ゴルフなどの接待を受けていた。 また、コシ社側への融資の窓口だった別の行員2人も、N容疑者から飲食などの接待を受けていた。そのうち、融資が始まった02年2月の時に窓口となった行員は、コシ社の関係会社が借りている都内のマンションの一室を05年の数カ月間、家族のために半額の家賃で借りていたという。行員が受けた接待について、同行広報部は「公私の別を定めた銀行の内規に照らし、問題があった行員がいたのは事実」としている。(2009年5月23日朝日新聞)注:人名をイニシャルにしました

売り上げを実際の100倍以上に水増しした企業に融資したら、最後はどうなるかは、一般の銀行員はすぐわかります。それでも、接待を受けただけでそのような判断に狂いが生じてしまうのでは、銀行員とりわけ一流メガバンクの行員としては、問題があったと言わざるを得ません。ホテル宿泊代を3回肩代わりしてもらったり、ゴルフの接待を受けていたことだけならば、ことさらに過剰ということもなさそうなので、過剰というからには、これ以外に目がくらむ様な接待を受けていたと考えて良いでしょう。
銀行員は公務員ではありませんから、公務の公正性を担保するための贈収賄罪の適用はありませんが、預金者から預かったたいせつな資金を貸す仕事ですから、不正取引を起こして預金者に迷惑をかけないようにする必要があります。銀行として今一度、こうした不正が行われないように、内規の見直し、行員の業務の管理体制の見直しを行う必要がありそうです。