新生銀行とあおぞら銀行が2010年の合併基本合意

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http://d.hatena.ne.jp/n1516e/20090426/1240702176

業績不振が続く「新生銀行」と「あおぞら銀行」は、経営を立て直すため来年中に合併することで基本合意しました。世界的な金融危機は日本の大手銀行にも生き残りに向けた再編を迫る形となりました。「新生銀行」と「あおぞら銀行」は、世界的な金融危機の影響でことし3月期の決算で大幅な赤字に陥り、経営を立て直すため経営を統合する方向で交渉を進めていました。その結果、両行は来年中に合併することで基本合意し、来月初めにも正式に発表することになりました。両行が合併しますと、総資産がおよそ19兆円となり、国内6位の銀行グループが誕生することになります。新銀行のトップについては、外部の銀行経営の経験者に就任を打診するなど最終調整を進めています。「新生銀行」は経営が破たんした日本長期信用銀行を、「あおぞら銀行」は同じく破たんした日本債券信用銀行を、それぞれ前身としており、両行とも大株主の外資系の投資ファンドがこれまで経営の主導権を握ってきました。しかし、金融危機の拡大で経営の先行きに不安が広がる中、単独で財務基盤や収益力を強化するには限界があるとして、今回、合併によって生き残りを目指すことになりました。新銀行は海外を中心に展開してきたリスクの高い投資銀行業務を大幅に縮小し、国内の金融サービスを柱として経営の立て直しを進めていく方針です。(NHK HP)

世界金融危機の継続する中、単独で生き残るには限界があるでしょう。合併ができるのであれば選択肢として正解でしょう。また、今回計画されているように海外投資銀行業務を縮小し、国内の金融サービスに特化し、不足する資本は公的資金申請することにより経営の立て直しができると考えられます。是非合併を実現していただきたいものです。

巨大銀行の消滅―長銀「最後の頭取」10年目の証言

巨大銀行の消滅―長銀「最後の頭取」10年目の証言

ところで、証券アナリスト協会の講演会に行ってきました。「地方銀行の現状と課題―ローリスク経営回帰で株式市場はどう見るかー」と題して、ドイツ証券株式会社株式調査部 銀行担当アナリストによる講演です。
2009年3月期の決算、来年度の決算予想からすると、大半の地銀は、金融危機回避のために、リスクの高い投資業務をさけ、地元志向のローリスク経営に舵を切っているとのこと。一方、一番懸念される銀行経営破たんの危機については、決算状況から判断する限りでは、深刻な事態には無いようでした。
大手銀、地域金融機関ともにローリスク経営志向となると、しばらくは融資を受ける側の企業=中小企業にとっては、貸倒れリスクが高くてローリスク経営下の融資対象外となるでしょうから、民間銀行からは融資を受けられそうにないということになります。そうなると、今後も公的融資頼みが続きそうです。